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炭の辞典

炭の辞典

~炭の“イロハ”から環境問題まで~

Q1.炭火料理が美味しいのはなぜですか?

A.炭は炎と煙を出さない燃料です。赤外線による輻射熱で食材を焼き上げます。ガスと異なり燃焼ガスに水分を含まないため食材の外側がパリッと焼き上がり食材の旨味を逃がさず、中まで短時間で火が通ります。また、備長炭の場合は火力がうちわひとつで調整でき、食材に最適な温度で焼くことができるため、燃焼灰のカリ分が食材の旨みを増すとも言われています。

Q2.炭火料理に使われる炭はどんなものがありますか?

A.大きく天然木炭と成型炭に分けられます。天然木炭の代表格は備長炭(白炭)と切炭(黒炭)、成型炭の代表格はオガ炭です。

Q3.白炭と黒炭の違いと特徴は何ですか?

A.製炭方法が異なります。白炭は炭化の最終段階で窯の中に空気を送り込み1,000度以上の高温にし真っ赤に燃えた炭を引き出して灰をかぶせて冷却します。特徴は①皮がついていない②叩くと金属音がする③表面が白く硬い④火付きが悪いが火持ちが良いことです。一方、黒炭は炭化の最終段階で窯口を密閉し空気を遮断し消火します。特徴は①皮がついている②叩くと鈍い音がする③表面が黒く崩れやすい④火付きが良いが火持ちは短いことです。

Q4.備長炭ってどんな炭ですか?

A.「樫(かし)の木を備長炭窯で炭化した白炭」が定義とされています。350年前の江戸元禄年間に実在した紀州炭問屋の備中屋長左衛門が名前の由来と言われています。国産の備長炭は「紀州」の他、高知県の「土佐備長炭」や宮崎県の「日向備長炭」があります。また20年以上前に和歌山の炭焼きが日本の人材不足と資源枯渇を憂い中国に白炭焼きの技術を伝授して以来、品質が比較的良く価格が安いことなどから中国産の備長炭が日本の市場に最も多く出回っています。また、近年では東南アジア諸国から輸入備長炭も年々増加傾向にあります。

Q5.備長炭で焼いた食材のほうが炭の香ばしさが強いのはなぜですか?

A.炭火焼の香りは燃えている炭に落ちた食材の脂分やタレなどが煙になり、それが食材にあたってつく香りと考えられています。原木の種類や火力によって香りの付き方も異なることが考えられるが詳しくは分かっていません。

Q6.備長炭の爆ぜ防止対策はありますか?

A.爆ぜは爆跳(ばくちょう)と呼ばれる現象です。原因は①炭が水分を含んで湿気っている②未炭化の炭である③老木で作られた炭④急激に火にくべるなどです。防止策としては、足し炭する前に火のそばにしばらく置いて暖めてから継ぎ足すと良いです。また、湿度が低く風通しの良い場所で保管することです。

Q7.オガ炭ってどんな炭ですか?

A.オガ炭はオガライト(製材所から出るオガ粉を圧縮して成型した棒)を炭化した物です。オガ炭にも白炭と黒炭があり、火持ちの良い白炭オガ炭は焼肉店などで使用され、火付きが良い黒炭オガ炭はインド料理店で多く使用されています。製材所の廃棄物を利用するので環境に優しいエコ炭としての地位を確立したものの、生産量が製材所の景気に左右されやすく、またそのために価格も不安定になりやすいです。国産オガ炭は品質が良いが生産量が少なく、現在の市場は外国産(中国・マレーシア・インドネシア)が圧倒的に多いです。輸入オガ炭の品質は輸入販売元の指導管理に任されています。

Q8.灰の多さが気になるのですが・・・

A.備長炭や国産オガ炭の灰は少なく(2%前後)、輸入オガ炭の灰は多い(4%前後)とされています。灰の量・軽さ・色は原料と焼き方によって千差万別ですので、販売店の扱う定まった産地の炭を納得して購入するのが良いです。炭を燃やしたあとに残る灰はアルカリ性でミネラル分を含んでいるので、家庭園芸の土作りに利用できます。土とよく混ぜると酸性の土を中和し作物が良く育ちます。

Q9.灰や炭の粉を吸った場合は人体に悪影響はないですか?

A.木炭・木灰とも食品衛生法に定める食品添加物のうち、長年使用されてきた天然添加物として品目が決められている「既存添加物」に定められているので安心して使えます。

Q10.木炭が環境にやさしい燃料というのは本当ですか?

A.本当です。木炭は平成20年10月1日より地球温暖化防止に貢献するバイオマスエネルギーとして経済産業省・環境省・農林水産省によって法案で位置づけられました。(農林漁業有機資源のバイオ燃料の原材料としての利用促進に関する法律)木炭を利用することは電気やガスを使用するよりも温室効果ガスの発生が少なく、二酸化炭素吸収量の少ない老木を利用し吸収量の多い若木を増やして森を若返らせることにつながり、地球温暖化を抑制することに貢献しています。また、オガ炭は前述のとおり製材所からの廃棄物を再生利用しており、環境にやさしい炭だと言えます。

Q11.一般家庭で炭火料理を楽しむ際に気をつけることは何ですか?

A.初心者には爆ぜないオガ炭がおすすめです。備長炭は販売店の説明を聞いて購入するほうが良いです。①炭が燃える際に一酸化炭素が出ます。深刻な場合は死に至る場合があるので、室内の換気を十分にする(毎時2~3回は空気を完全に入れ替える)②備長炭を継ぎ足す場合はいきなり燃えている炭の上に置くのではなくしばらく炭火の近くに置いて暖めてから火にくべる③使用後は完全に消火する(火消し壺の使用がおすすめ)

Q12.燃料以外の炭の用途は何ですか?

A.炭は炭火料理以外にもその多孔質の特徴から用途の幅は広いです。①ご飯がふっくらおいしく炊ける②水道水がミネラル水に③温泉風呂の効果④トイレ・下駄箱・冷蔵庫またペットの消臭に⑤水槽に入れる⑥安眠まくら⑦家畜の餌に⑧土壌改良剤などです。

Q13.煉炭・活性炭とオガ炭の違いは何ですか?

A.オガ炭はオガ粉を圧縮・加熱し成型したオガライトを炭化したもので、接着剤は使用していません。(オガ粉に含まれるリグニンという物質が接着作用を起こす)煉炭は無煙炭という石炭をでんぷんなどで固め縦方向に穴を開けて火力を強くした燃料です。暖房用として掘りごたつや厨房では煮物に使われます。また、活性炭は木炭・椰子殻炭・石炭などを水蒸気や二酸化炭素などで高温処理した炭で、木炭に比べて表面積が大きく吸着力が高いので浄水・空気浄化など工業用として用いられます。

以上ですが、今後もお客様とのコミュニケーションの中から問答項目を増やしていきます。お気軽にお尋ねください。